ぽいぽいの「かきくけこ」

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債券 - イントロ編

CFA level 1に役に立つかもしれない記事です。今回は債券。CFA programの内容を開示する意図はありません。また、 あくまで私、ぽいぽいが個人用としてまとめたものをシェアしているだけなので、これによって損害を被ったとしても一切の責任は負いませんので注意してください。

目次

基本的な用語

発行体

  • Corporations
  • Sovereign government (i.e. national government)
  • Non-sovereign government
  • Quasi-government entities (e.g. Fannie Mae)
  • Supranational entities(e.g. World Bank)
  • Special purpose entity(SPE)

クーポン

  • Coupon rate = 額面金額に対する毎年支払う利息の割合、表面利率
  • Plain vanilla bond = 固定表面利率の債券
  • Zero-coupon bond = 利払いのない債券

満期

  • Maturity date = 最後の支払いをする満期日
  • Tenor = 支払期間
  • Money market securities = 満期が1年以内の債券
  • Capital market securities = 満期が1年以上の債券
  • Par value / Face value = 返済する元本の額、額面金額
  • Premium = 額面金額以上で売却されたこと
  • Discount = 額面金額以下で売却されたこと

通貨

  • Dual-currency bond = 利払いをある貨幣で元本返済を別の通貨で決済する支払い
  • Currency option bond = 支払貨幣を選択できる債券

信託証書

Trust of deed / Bond indenture = 貸し手と借り手の間で結ばれる法的契約、信託証書
Covenants = 信託証書における誓約
これには2種類ある。

  1. Affirmative covenant - 債券発行者が履行のためにとるべき事項を記した条項
  2. Negative covenant - 債券発行者の営業活動等を制限する条項

発行地と通貨による債券の分類

  • Domestic bonds = 発行体の国籍と通貨建てが一致 (e.g. アメリカの企業がアメリカドルで発行)
  • Foreign bonds = 発行体が外国籍 + 国内通貨建て + 国内の債券市場で取引
  • Eurobond = 国際的に発行 + 発行体の国内通貨ではない通貨建て (e.g. euroyen)
  • Global bond = 国内債券市場でも取引があるユーロボンド

ユーロボンドの長所

  • 規制回避
  • 源泉徴収無し
  • SECの登録無しでドル建て債の発行可
  • 国際規模で投資家を募れる

担保

Unsecured bond = 発行者の全般的な資産に対する請求権、無担保債券
Secured bond = 発行者が担保として出した資産に対する請求権、担保付債券
担保付債券は無担保債券に対して優先権がある。

Collateral trust bond = 金融資産が担保となっており管財人によって保有される債券
Equipment trust certificate = 実物資産を担保として当該資産を企業にリースする負債証券

証券化

securitized bond = Special Purpose Entity(SPE)によって発行され、企業がSPEにローン等の金融資産を売却し、資産が生み出すキャッシュフローを債券保有者に支払うことを約した債券

証券化では倒産隔離(Bankruptcy remote)という手法が用いられる。キャッシュフローを生み出す資産(不動産等)を企業の所有から切り離すことで、投資家の損失を未然に防ぐ役割を持つ。また、証券化は資金調達コスト削減の効果もある。

Covered bond = ABSの一種だが原資産が発行体である企業の貸借対照表上にある債券、SPEを必要としない
発行体が金融機関であることが主で、企業が支払不能に陥ったときに法律が保護することで倒産隔離を行う。債券所有者は企業と原資産の双方に償還請求できるdual recourseの構造を持つ。

信用補完

信用補完には債券構造に組み込むinternalなものと第三者機関によって提供されるexternalなものがある。

内部信用補完

  1. 過剰担保(overcollateralization) - 融資額を上回る額の担保をすること
  2. 超過スプレッド(excess spread) - 担保の利回りが債券の利回りを上回るようにすること
  3. トランシェ(Tranches) - 請求権に優先順位をつける構造

外部信用補完

  1. 銀行保証(Bank guarantee) - 債券が約した支払額の不足分を銀行が保証すること
  2. 保証証券(Surety bond) - 保険会社が不足分を保証すること
  3. 信用状(Letter of credit) - 買主の取引銀行が売主に代金の支払いを確約する保証状
  4. 現金担保(Cash collateral) - 証券化対象資産が生み出すキャッシュフローが不足した時に備えた現金や低リスク短期有価証券の担保

1と2にはCounterparty riskが存在。

債券への課税

債券によって得られた利息は通常所得として課税。地方債(Munis)によって得られた利息は課税控除であったり、アメリカ国内の債券の一部はあらかじめ税引後の利息が支払われる。
満期前に売却された債券は利回りが変わった際、キャピタルゲイン(ロス)が発生。キャピタルゲインは低率で課税。

Original issue discount bond(OID) bond = 市場利率より低いクーポンレートで発行された債券
満期が近くにつれ上昇する価格は利子所得として課税。ゼロクーポン債も課税される可能性あり。

債券のキャッシュフロー構造

元本の構造

Balloon payment = 未償却元本と利息を一括で支払う満期日の支払い

  • Bullet structure, plain-vanilla bond = 毎期にクーポンを支払い満期日に元本満額を返済する債券の典型的構造
  • Amortizing loan(償却ローン) = 毎期の支払いに元本と利息の両方が含まれる債券
    • partially amortizing(部分償却) = 毎期の支払いに元本の一部が含まれ残額は満期に支払われるもの
    • fully amortizing(全額償却) = 毎期の支払いに利息と元本が等しく支払われるもの
  • Sinking fund(減債基金) = 発行の際に元本返済のために必要な準備金、契約によって様々な決まりがなされる

利子の構造

変動利付債

Floating-rate note(FRN, 変動利付債) = reference rate(参考相場)を基準として表面利率、クーポンレートを決定する債券
典型例は60 days LIBOR

変動利付債にはcapという金利上限ないしfloorという金利下限が存在することがある。capは発行者、floorは債券保有者に有利に働く。

Inverse floater-rate note(逆変動利付債) = 表面利率があらかじめ決められた利率から参考相場を差し引いてクーポンレートが決定する債券

インデックス連動債

index-linked bond(インデックス連動債) = クーポンレートや額面金額が変動する債券
インデックスは以下のようなものが使われる。

  • Equity-linked note - 株価指数を使用
  • Commodity-indexed bond - 商品価格を使用 e.g. 金
  • Inflation-linked bond - Consumer Price Index(CPI, 消費者物価指数)を使用
    • Principal-protected - 額面金額が元の額から低下しない
    • Interest-indexed - 表面利率のみ変動
    • Indexed-annuity bond - 全額償却の毎期支払いが変動
    • Capital-indexed - 額面金額のみ変動

その他の利子構造

  • Step-up coupon bonds(ステップアップ債) = クーポンレートがあらかじめスケジュールされた日付に従って上昇する債券
  • Credit-linked bonds(クレジットリンク債) = 信用格付けが下がるとクーポンレートが上がり格付けが上がるとクーポンレートが下がる債券
  • Payment-in-kind bond(現物支給債) = 利息支払いを利払い日ではなく追加の借入によって満期日に支払いを延期することができる債券
  • Deferred coupon bond / split coupon bond(金利繰延債) = クーポン支払いが一定期間経つまで開始しない債券

オプション組み込み

Contingency provisions = 発行者及び債券保有者が取れる行動のこと、オプション

コールオプション

Callable bond(任意償還権付債券) = 発行者が決められた満期前の日時(Call date)に決められた価格(Call price)で債券を償還できる権利を付した債券

Call protection(据置期間) = 発行者がコールオプションを行使できない期間
Make-whole provision(メークホール条項付債券) = 権利行使価格が一定ではなく未払クーポンの現在価値を含む債券

プットオプション

Putable bond(買取請求権付債券) = 債券保有者が決められた満期前の日時に決められた価格で債券を発行者に買取請求できる権利を付した債券

その他オプション