ぽいぽいの「かきくけこ」

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債券 - 債券市場編

CFA level 1に役に立つかもしれないノート。CFAプログラムの内容を開示する意図はありません。あくまで私、ぽいぽいが個人用としてまとめたものをシェアしているだけなので、これによって損害を被ったとしても一切の責任は負いませんので注意してください。

目次

債券の分類

分類
発行体 一般企業、金融機関、一般世帯、政府機関
信用 投資適格債、ハイイールド債
満期 短期金融市場証券(1年以下)、長期金融市場証券(1年より長い)
クーポン構造 変動利付債、固定利付債
通貨建て 日本円、アメリカドル
地理 先進国市場、新興国市場
インデックス連動 インフレ、株式相場、実物資産
課税 免税対象、OID、税引き利払い

銀行間貸付利率

もっとも一般的なInterbank rate(銀行間貸付利率)はLondon interbank offered rate(LIBOR)。30-days U.S. dollar LIBOR、60-days U.K.Pound LIBORなど数種類あり、年率表示。LIBORは実際の取引によって算出されたものではなく、銀行家の期待利率によって算出されたもの。
米国ではStructured overnight financing rate(SOFR)などに代替される動きがある。

販売のメカニズム

発行市場

Primary market(発行市場) = 債券の新規発行が行われる市場

発行市場では債券の一般販売のため証券監督官によって行われる債券登録であるPublic offering(公募)、認定投資家のみに販売するPrivate placement(私募)がある。

Shelf registration(棚登録) = 登録金額の範囲ならば何回でも債券を発行できるようにする登録(e.g. SEC)

債券の売却には以下3つのような方法がある。

  • Underwritten offering(引受募集) = 投資銀行やシンジゲートが発行債券を全て買い取りディーラーや投資家に転売する仕組み
  • Best-efforts offering = 委託販売によって投資銀行が債券を売る仕組み、投資銀行が発行債券を購入することはない
  • Auction(オークション) - 国債の発行のときに使われる

引受募集はforward delivery(延渡し)で行われgrey marketと呼ばれる。債券が提供される日付より前にトレードが行われているためgrey marketは価格付けに関する様々な情報を提供する役割がある。

流通市場

Secondary market(流通市場) = 以前に発行された債券が取引される市場
ディーラーによってトレードされるover-the-counter(店頭) marketに分類。

債券の流動性によってBid-ask spread(ビッド・アスク・スプレッド)が決定する。非流動的ならばスプレッドは大きくなる。
Settlement date(支払日)は債券の種類によって異なる。T+1とは取引が成立した翌日に決済を行うことを意味する。

種類 支払日
短期金融市場証券、一部の国債 Same day
国債、準政府機関の債券 T+1
社債 T+2 or T+3

公債

ソブリン債

Sovereign bond(ソブリン債) = 政府が発行する債券
通貨建ては現地通貨もしくは国際通貨でなされる。一般に現地通貨の方が信用格付けは高い。理由として、国際通貨は容易に増刷できず為替相場にも大きく影響されるから。

その他の債券

Non-sovereign bond = 州や市などが発行する債券
プロジェクトの収益、税収などから支払われる。

Agency bond / Quasi-government bond(政府機関債券) = 特定の目的で設立された政府機関によって発行される債券 (e.g. Fannie Mae)

Supranational government bond = 国家の枠組みを超えた国際的機関によって発行される債券 (e.g. World Bank)

企業の借入

銀行借入金

Bank borrowing(銀行借入金)の2分類

  1. Bilateral loan - 単一の銀行からの借入
  2. Syndicated loan - 複数の銀行からの借入

コマーシャル・ペーパー

Commercial paper(コマーシャルペーパー) = 短期借入のための無担保の約束手形のこと
満期に到達した約束手形を新たな発行によって置き換えることができないリスクであるRollover riskが存在。信用力の低下またはSystematic failureの二つがリスクの要因となる。企業はRollover riskを低減するため、債務不履行の時に備えたbackup line of creditを用意することで信用力の向上を図っている。

コマーシャルペーパーの2分類

  1. U.S. commercial paper - 最長の満期が270日、discount interest yield、T+0
  2. Eurocommercial paper - 最長の満期が364日、discount interest yield/add-on yield、T+2

Add-onベースとDiscountベース

① 180-day commercial paper, discount yield basis, holding period yield of 2%
価格 = 100/1.02 = 98.04
満期日の支払い = 100

② 180-day commercial paper, add-on yield basis, holding period yield of 2%
価格 = 100
満期日の支払い = 100 + 2 = 102

社債

Corporate bond(社債)には様々な満期構造がある。

  • Term maturity structure = 発行した全ての社債が同日に満期を迎える
  • Serial bond issue = 複数の満期日を設定して発行

Mid-term notes(MTN) = 発行者が複数の満期日(9ヶ月〜100年)を提示し、債券購入者が望んだ満期日や貸出額を選択する債券

仕組み金融

Structured finance(仕組み金融) = 原資産となる証券のリスク特性を変更するようデザインされた金融商品 (e.g. ABS、CDO)
典型的な組み合わせは債券とデリバティヴの組み合わせ。以下の4種類をおさておくこと。

  1. Credit-linked note(CLN) - 特定のクレジットイベント(e.g.信用格付けの低下)が発生したら償還額が低くなり、発生しなかったら額面金額どおりの償還がされる債券、利回りは通常の債券より良い
    CLNの債券の購入とcredit default swapの売却を同時に行っているのと同義
  2. Capital protected instrument - 満期日の支払いに最低額の保証と債券
    • Guarantee certificate -
  3. Participation instruments - 原資産の価格によって支払い額が決定する債券、償還の保証はない(e.g. 変動利付債)
  4. Leveraged instruments - 逆変動金利債など利率が参考レートと逆の動きをする債券
    • Leveraged inverse floater - 参考レートの変化以上にクーポンレートが決定
    • Deleveraged inverse floater - 参考レートの変化以下にクーポンレートが決定

銀行の短期借入

  1. Customer's deposit(通常預金)
  2. Certificate of deposit(CDs, 定期預金)
  3. Negotiable CDs(流通可能譲渡性預金) = 他人に譲渡可能な定期預金
  4. Central bank fund market
  5. Interbank market

レポ取引

Repurchase agreement(レポ取引) = 債券をRepo dateでより高い価格で買い戻しする条件を付した売買取引
Reverse repo = ディーラーが貸し手となって債券を買う取引

Repo dateによる分類

  • Overnight repo - 1日後に買い戻し
  • Term repo - 1日より長い間を置いて買い戻し

Repo rate = 再購入価格÷販売価格 - 1 の年率表示
Repo margin / haircut = 債券価値÷販売価格 - 1

レポレートとヘアカット率の変動要因

  • 担保となる有価証券の高い信用 → 両方の低下
  • 満期までの期間が長期 → 両方の上昇
  • 有価証券への高い需要 → 両方の低下
  • 現物の受渡しが必須 → レポレートの低下
  • 取引相手の高い信用 → ヘアカット率の低下