ぽいぽいの「かきくけこ」

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債券 - リスクとリターン編

CFA level 1に役に立つかもしれないノート。CFAプログラムの内容を開示する意図はありません。あくまで私、ぽいぽいが個人用としてまとめたものをシェアしているだけなので、これによって損害を被ったとしても一切の責任は負いませんので注意してください。

目次

収益の発生源

  1. 利払いと元本償還
  2. 利子の再投資(最終利回りで運用)
  3. キャピタル・ゲイン/ロス(満期保有なら±0)

再投資の計算

A 3-year, $100, 8% annual coupon bond is priced at 108.17. YTM = 5%. What is the realized return of this bond?

Principal and interest = 8 + 8 + 8 + 100 = 124
Reinvestment income = 8(1.05)2 + 8(1.05) + 8 - 3(8) = 1.22
Realized return = {(124 + 1.22) / 108.17}1/3 - 1 = 5%

キャピタルゲインの計算

Capital gain = sale price - carrying value

A 10-year, $1,000, 6% semiannual coupon bond is priced at 864.10. (YTM = 8%) If the bond is sold after 8-year for 910.00, how much is the capital gain (loss)?

Carrying value: N = 4; I/Y = 4; PMT = 30; FV = 1,000; CPT; PV = -963.70
Capital loss = 963.70 - 910.00 = 53.70

最終利回りの変化

最初のクーポン払い日の前に最終利回りが変化したとする。以下の場合によって結果が異なる。

ケース1:満期保有
Return = {(Coupon + Par + Reinvestment income)/Purchase cost}1/N - 1
YTMの上昇→再投資利率の上昇→リターンの上昇
YTMの減少→再投資利率の減少→リターンの減少

ケース2:1期後に売却
Return = {(Coupon + Sale price)/Purchase cost} - 1
YTMの上昇→売却価格の減少→リターンの減少
YTMの減少→売却価格の増加→リターンの増加

デュレーション

マコーレー・デュレーション

Macaulay duration(マコーレー・デュレーション) = 将来キャッシュフローの現在価値をウェイトとして支払いまでの年数の加重平均
e.g. 4-year, $1,000, semiannual coupon 4% bond, YTM = 5% f:id:poipoi_econ:20201112114913p:plain

MacDur = (1 × 0.020 + 2 × 0.020 + 3 × 0.019 + 4 × 0.019 + 5 × 0.018 + 6 × 0.018 + 7 × 0.017 + 8 × 0.868)/2 = 3.73yrs

修正デュレーション

Modified duration(修正デュレーション) = マコーレー・デュレーションを1+最終利回りで割り引いたデュレーション
修正デュレーションを算出することで、最終利回りのパーセント変化に対する債券価格のパーセント変化を計算できる。

Δprice = -ModDur × ΔYTM

先の例だと、
ModDur = 3.73 / 1.05 = 3.55yrs
0.1%の最終利回りの上昇によって0.355%の価格下落が推測できる。

近似修正デュレーション

Approximate modified duration = (V- - V+) / 2 × V0 × ΔYTM

Consider a bond trading at a full price of 1,000. YTM increases 1%, the price decreases to 955. YTN decreases 1%, the price increases to 1,025. What is the approximate modified duration of this bond?

Approx. ModDur = (1,025 - 955) / 2 × 1,000 × 0.01 = 3.5yrs

実効デュレーション

Effective duration = 債券に付随するオプションを加味するため利子率の変化を用いた近似デュレーション、計算にはΔYTMの代わりにΔcurveを用いる

Δcurveを使う理由として利子率に対する感応度を示しているベンチマークイールドカーブの平行移動に基づいているからである。これとオプション付き債券の価格決定モデルを併せて使われる。

キーレート・デュレーション

key rate duration = 特定の満期でのベンチマークとなる利回りに対する価格の感応度を測るデュレーションイールドカーブが急か平らなもので使う

マネーデュレーション

Money duration = ModDur × full price
最終利回りのベースポイント単位の変化から価格の変化幅を貨幣単位で算出してくれる。

Consider a bond with a modified duration of 8.93 which is priced at 104.50. What is the impact on the value of the bond of a 50 base points increase in YTM?

Money duration = 8.93 × 104.5 = $933.19
Decrease in bond value = 0.005 × $933.19 = $4.67

デュレーションの決定要因

  1. 満期の長期化 → デュレーションの上昇(例外あり)
  2. 利回りの上昇 → デュレーションの低下
  3. クーポンレートの上昇 → デュレーションの低下

ポートフォリオデュレーション測定

以下の2つの方法がある。 1. キャッシュフローの支払い期日の加重平均 2. 債券のデュレーションの加重平均

コンベクシティ

デュレーションのみで債券価格を推定してしまうと、Convexity(凸性)を考慮できていないため価格を過小評価してしまう。ここから凸性を考慮して議論する。

Approximate convexity = (V- + V+ - 2V0) / (ΔYTM)2 × V0

Approximate effective convexity = (V- + V+ - 2V0) / (Δcurve)2 × V0

オプション付き債券のイールドカーブ

コールオプション

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コールオプション付き債券のイールドカーブ
漸近線はcall priceを示している。満期が短くなると負の凸性を示す。2つの曲線の差はコールオプションの価値。

プットオプション

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プットオプション付き債券のイールドカーブ
漸近線はput priceを示している。2つの曲線の差はプットオプションの価値。

債券価格変化の近似式

Δprice ≒ -ModDur(ΔYTM) + (1/2)ApproxCon(ΔYTM)2

Assuming the bond’s duration is 6.74 and its convexity is 71.93, estimate the percentage change in the full price of the bond for 40 base points decrease in YTM.

Δprice ≒ -(6.74)(-0.004) + (1/2)(71.93)(-0.004)2 = 0.0275 = +2.75%

ボラティリティと満期の関係

短期利子率が金融政策、長期利子率が期待インフレ率や期待成長率によって影響を受けるならば、短期利回りのvolatirity(ボラティリティ)はより高くなる。

投資ホライズン

Investment horizon = 投資家が想定している投資期間の長さのこと マコーレー・デュレーションのタイミングでprice riskとreinvestment riskがちょうど相殺される。
Duration gap = MacDur - investment horizon
デュレーションギャップが正ならば、利回りの上昇でリターンが低下
デュレーションギャップが負ならば、利回りの減少でリターンが上昇

Consider 6-year, 8% annual-pay bond with Macaulay duration = 5, priced at 109.83, YTM = 6%. If YTM falls to 5% before the first coupon date, calculate the yield for 2-year horizon.

N = 4; I/Y = 5; PMT = 8; FV = 100; CPT; PV = -110.64
Price after 2 years = 106.93
N = 2; I/Y = 5; PMT = 8; PV = 0; CPT; FV = -16.4
Income from coupons & reinvestment = 16.4
2-year horizon yield = {(16.4 + 106.93) / 109.83}1/2 - 1 = 5.97%

ベンチマーク利回りとのスプレッドと債券価格推定

Benchmark yieldは実質利子率と期待インフレ率を反映している。ベンチマークに対する債券利回りのスプレッドはcredit risk(信用リスク)とliquidity risk(流動性リスク)の二つのリスクに由来するリスクプレミアムを含んでいる。

スプレッドの変化から債券価格の推定
Δprice ≒ -Duration(Δspread) + (1/2)Convexity(Δspread)2